最近、子どもの近視が増えています。

その原因として、スマホでYouTubeを見たり、ゲームをしたり、タブレットを使った授業など、近くのものを見る時間が増えたことが考えられます。

特にコロナの流行により家で過ごす時間が増えたことで、この傾向はさらに強まったようです。

学校の検診で近視を指摘され、眼科を受診する子どもが増えています。メガネを処方し、作ることで一時的に見やすくなりますが、半年や1年後にはさらに近視が進んでしまうことが少なくありません。

そのため、また新しいメガネが必要になります。

子どもの近視が進むのは、目の奥行きが伸びてしまうことが原因です。成長期には体が大きくなるのと同じように目も成長するため、ある程度は仕方のないことかもしれません。また、遺伝の影響もあります。親が近視の場合、その子どもも近視になりやすいことが知られています。

体が大きくなるにつれ、眼球が大きくなる、というのはある程度仕方ないことかもしれません。

遺伝の要素もあります。

お父さんお母さんも近視だったから仕方ない。

ある程度はそうかもしれません。

しかし、最近では遺伝以外の要因、つまり生活環境も近視に影響を与えると注目されています。

2007年に発表された論文は、眼科医に大きな影響を与えました。それ以来、多くの眼科医が「近視を悪化させないために、できるだけ外で遊ぼう」と子どもたちに勧めています。

しかし、スマホやタブレットの普及、さらにコロナ禍の影響で、1日に2時間も外遊びをしている子どもは少ないのが現実です。

また、日焼けや熱中症のリスクを考えると、毎日2時間外で遊ぶのは難しい場合もあります。

そのため、日本眼科学会では「30分に一度、遠くを見よう」というような啓発活動を行っています。

メガネをかければそれで良いという考え方もありますが、近視が進みすぎると将来の目の病気のリスクが高まることが問題です。

目が大きくなりすぎると、網膜や視神経などが無理に引き伸ばされ、網膜剥離や緑内障、黄斑変性など、メガネをかけても視力が改善しない深刻な病気を引き起こす可能性があります。

そのため、子どものうちに近視の進行を抑えることがとても重要です。

最近では、近視の進行を抑える治療法が進歩しています。日本近視学会が発足し、エビデンスのある予防治療としてマイオピン（低濃度アトロピン）、オルソケラトロジー、レッドライト治療、次々と成果を挙げています。

これらの治療は日本ではまだ保険診療としては認められていないため自由診療です。

近視による将来の目の病気を予防するため、当院でもこれらの治療に取り組んでいます。

興味がある方はお気軽にお問い合わせください。

随時ご案内いたします。